海外駐在員規程があなたの会社と従業員を守ります
海外駐在員規程とは、会社が従業員を海外に派遣する際に給与、手当、福利厚生、服務規律など、海外勤務に関するルールを定めた社内規程です。海外赴任者の生活を安定させ、安心して業務に集中できる環境を整えると同時に会社の責任範囲を明確にすることが目的です。つまり会社と従業員の両者を守る大事な規程です。
●給与:基本給、海外勤務手当、家族手当、住宅手当など海外勤務に伴う給与体系を規定します。日本国内では馴染が少ないグロスアップ計算(手取り額から逆算して総支給額を決める方法)が一般的です。また、社会保障制度、税制の違いによる二重課税を考慮する必要があります。
●手当:赴任手当、帰任手当、子女教育手当、危険地域手当など、海外勤務特有の手当を規定します。
●福利厚生:海外旅行保険、医療保険、住居、渡航費、一時帰国費用など、海外勤務をサポートする福利厚生制度を規定します。
●服務規律:服務時間、休暇、出張、守秘義務、懲戒など、海外勤務中の服務規律を規定します。
●税金、社会保険、安全衛生、緊急時の対応、帰任後の処遇など、海外勤務に関する様々な事項を規定します。
規程は赴任するまでに整備しましょう。規程がない状態で赴任が続くと既得権が発生し、後に規程を整備する際の障害になることもあります。不利な労働条件への変更禁止、深く考えず支給していた海外手当・福利厚生の既得権が会社の負担として重くのしかかります。海外出張旅費規程で対応しているケースもありますが、出張と駐在ではそもそも事情と業務の性格、適用する法律も異なるので適切ではありません。
専門家のアドバイスを受けながら適切な規程を作成することをおすすめします。