香港法人の税制概要

法人の事業所得税は、香港で獲得した利益(所得)のみに課税されます。株式配当、キャピタルゲイン、銀行の預金利息には課税されません。消費税と付加価値税はありません。 香港金融機関からの借入金に対する利息、建物家賃や土地使用料、貸倒引当金、登録商標・特許登録料、従業員退職金制度の一定拠出金等を控除できます。事業損失は無期限で繰り越し控除できます。事業所得税以外には、直接税としての給与所得税と資産所得税、間接税としての印紙税、物品税、自動車登録税などがあります。

●給与所得税
香港での給与所得に対して累進課税。日本の住民税に相当するものはありません。コミッション、賞与、チップ、手当、臨時収入、香港で提供したサービスに対する収入、年金も課税対象に含まれます。ただし、日港租税協定の適用で免税措置がある
●資産所得税
家賃収入から固定資産税等を控除した額に課税。ただし、家賃収入が法人の事業所得税の課税対象となっている、不動産所有者が事業を営むため占有している場合は資産所得税の対象にならない
●固定資産税
香港政府が毎年公表する推定賃貸価格に一定の税率で課税。原則として不動産所有者と賃貸人が納税するが協議によって一方のみが納税することもできる
●印紙税
香港内で締結する不動産売買契約書、株式譲渡契約書等の課税文書の作成者に課税される
●ロイヤリティ課税
みなし所得に一定の税率で課税される
●物品税
アルコール飲料、たばこ、炭化水素オイル(ガソリンなど)、メチルアルコール(化粧品など混合物含む)の4品目に課税。税関により徴収される

香港法人の決算日は、12月31日または3月31日が通常です。年次決算の時期になると香港の会社法に基づき、決算書を作成し税務申告が必要になります。利益(所得)があれば所得税を納付しなくてはなりません。しかし大部分の香港法人には香港に経営の実態がなく、社員もいないので所得が発生しないことも多いです。その場合、香港の税務政策によりオフショア会社は所得税免除の申請をすることが可能です。