中国で医療行為を受ける場合の注意点

中国の医療水準、医療施設の環境は他のアジア地域と比較すると改善の余地が大いにあります。そこで中国で医療行為を受けるときの注意点です。

●処方された薬は必ず調べる → 中国名以外に英語名も教えてもらい、インターネット等で効果、副作用、適量について確認する。

●点滴を受けるときは使用薬を聞く → アレルギーを持っている人は事前に日本の医師から説明文を書いてもらい、英語、中国語に訳して所持しておく。
●病院の格付けをチェックする → インターネットでその医療機関が所在する行政機関が公表している『行政処罰状況一覧表』を確認する。一覧表には、医師資格のない者を勤務させていた、無許可の薬剤を処方していた、誇大広告を行っていた等で行政罰・指導を受けた医療機関が公表されている。

中国では病院の総合医療レベルに応じて衛生局がランク付けをしています:三級から一級、甲等から乙等などの3級10等制。一、二、三の三等級を基本とし、一、二級は甲、乙、丙の三等に分かれ、三級は特、甲、乙、丙の四等に分かれています。最高ランクは「三級特等」で通称「三特医院」という。

●持病があるときは、英文、中国語の診断書(トラベルカルテ)を事前に用意する → 日本語が通じるところはまれであり、英語が通じるところも少ないが、「国際標準英文診断書」(必要に応じてCT、MRI、手術図などを添付した国際標準の書類)を作成して持参することが賢明。

・慢性疾患のため薬を服用中
・心臓病、高血圧、糖尿病、高脂血症などがある
・糖尿病、喘息、ペースメーカー、人工弁、重症アレルギーがある
・過去5年以内に大きな手術を受けた
・骨折などの手術で体内にボルトなど金属を埋め込んでいる  など。

●中医(漢方医)と西洋医の違い → 中医は中国で行われている伝統医学の一種として西洋医と比較されます。診療は中医師が行います(日本では中医師の医療行為は認められていません)。西洋医には西医学部を卒業後に中医学研修を受け、西洋医学も中医学にも精通する「中西医結合」治療を行う医師がいます。診察や処方のときに「西洋医学の薬にしますか、中薬にしますか」などと聞かれることがあります。中医は、中医内科、中医外科、中医婦人科、中医小児科などに細分化されるが二つに集約される:

・生薬処方を湯液治療で専門とする中医師(生薬とはそのまま又は一部の植物・動物・鉱物の天産物あるいは動植物のエキス・分泌物などを乾燥、簡単に加工して薬用するもの)
・針灸按摩治療を中心とする中医師