海外子会社もつ企業は注意!現地PE(恒久的施設)課税の事例
PE(Permanent Establishment)、恒久的施設とは、企業が事業の全部又は一部を行っている一定の場所です。
国際税務の基本ルールとなる租税条約では、海外の事業所得が現地税務当局に課税されるのは、原則として、PEが存在する場合のみと規定されています。その課税対象は、PEの事業活動から得た所得のみとされています。
これが「PEなければ課税なし」の理由です。
PEの典型的な事例は 「支店」、「工場」、「建設工事現場」などですが、最近では一定の役務提供(サービスPE)、代理人を使って行う事業(代理人PE)の課税が強まっています。
例えば、このような場合にはPE認定の対策が必要です:
親会社が頻繁に現地子会社に出張、派遣等を行う場合、現地税務当局が当該出張者、派遣をPEと認定し、出張者に帰属する所得を現地課税する。
親会社が現地子会社に派遣した出向者(駐在員)の給与を親会社一時的に立替えている場合、現地税務当局が派遣元の親会社をPEとして認定課税する。
現地子会社の機能が限定的で、独立した意思決定能力を有さず、親会社の指示に基づいて活動を行っている場合、当該子会社を親会社のPEに認定課税する。
駐在員事務所が情報収集などの補助活動のみで営業活動をしていないにも関わらず、従業員数が多いという理由で現地税務当局がPEに認定課税する。