アジア各国の税務当局の特徴とは

【中国】

自動車、製薬等、特定の業種を中心に調査
・サービスフィー、ロイヤルティに対する課税強化
・特別納税調整制度による遡及的な調査
・駐在員事務所の設立が困難
・行政訴訟における納税者勝訴の確率が非常に低い
・相互協議の頻度が減少

【インド】

・IT、アウトソーシング、銀行、製薬を中心に調査
・積極的なPE課税
・地域・担当者による差異が大きい
・調査官が安易に追徴課税を行い裁判で争うことが常態化
・昨今、初めてバイラテラルAPAに合意

【インドネシア】

・税務当局が、歳入確保機能と徴税機能を併せ持つ
・「税務調査計画」で追徴課税目標を明記
・追徴ありきで調査、還付申請時には必ず調査
・租税裁判所は判例主義ではなく予見可能性が必ずしも担保されない
・相互協議は裁判所の判決が出たら打切り

【ベトナム】

・移転価格税制の執行強化のためアクションプランを制定し人員も増強
・税務調査官の質は国際水準に達していない
・PEについてはアグレッシブな課税は見られない
・司法がうまく働いていないため納税者が訴訟を起こすケースはまれ
・相互協議はAPAに関するガイドラインが制定されたため今後は本格的な運用見込み

【タイ】

・法人税の引下げに合わせ移転価格による税収増が主要戦略の一つとなった
・PEについてはアグレッシブな課税は見られない
・移転価格課税について裁判所で争われた実績はまだない
・相互協議は低調

以上は経済産業省の国際租税に関する報告書より抜粋。