香港ビジネス情報。

一国二制度の中国とは似て非なる国。

香港法人の設立概要

香港で事業をするには現地法人として有限公司を設立するか外国企業の香港支店として公司註冊処 (Companies Registry)に会社登録し、さらに事業開始日から1カ月以内に商業登記をしなければなりません。以下は香港の会社条例に基づいた会社設立の概要となります。

●設立の概要
・香港に住んでいなくても問題ありません
・設立に必要な期間はケースによって1~3週間が目安です
・満18歳の株主と取締役が最低1名(兼任もできます)
・香港永住者または香港法人の会社秘書が必要(委託できます)
・香港での住所地が必要(レンタル契約もできます)
・会社名は英語のみ、もしくは中国語名も加えられます
・資本金は香港ドルで1ドル以上、外国企業の子会社として100%独資も可能

●設立方法
・新規設立(任意の会社名で新会社を持てますが、類似商号調査、設立手続きに時間がかかります)
・シェルフカンパニー(休眠会社の名義を書き換えるだけなのでお急ぎの方にお勧めです)

●補足事項
・英語と中国語の二つの名前を付けることは可能ですが、英語名は必須で中国語名は任意
・英語と中国語の会社名に関連性を持たせる必要はなく、英訳、音感による縁起の良い中国語でもOK
・登記住所はレンタルオフィス等のケースが多い
・日本の会社法と違い定款に会社の事業目的を詳細に定める必要はありません
・取締役が香港に来なければならないときがある(銀行口座開設など)
・会社設立時に授権資本金の0.1%が資本登録料として政府に徴収される
・主に3種類の税金:不動産税、俸給税、利益税(16.5%。減価償却、借入金利、貸倒時の控除がある)
・会社登録費用は香港ドルで1720ドル、設立できなかったときは一部が還付されます
・商業登記費用は香港ドルで450ドル(1年有効)、4550ドル(3年有効)
・香港での貿易取引は概ね自由ですが、武器、医薬品、絶滅危惧種、繊維製品、特定食品などにはライセンス管理が実施されています
・外国人が香港で就労または投資をする場合は適切なビザを取得しなければなりません。目的により異なるので詳細はお問い合わせ下さい


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香港法人の税制概要

法人の事業所得税は、香港で獲得した利益(所得)のみに課税されます。株式配当、キャピタルゲイン、銀行の預金利息には課税されません。消費税と付加価値税はありません。 香港金融機関からの借入金に対する利息、建物家賃や土地使用料、貸倒引当金、登録商標・特許登録料、従業員退職金制度の一定拠出金等を控除できます。事業損失は無期限で繰り越し控除できます。事業所得税以外には、直接税としての給与所得税と資産所得税、間接税としての印紙税、物品税、自動車登録税などがあります。

●給与所得税
 香港での給与所得に対して2~17%の累進課税。日本の住民税に相当するものはありません。コミッション、賞与、チップ、手当、臨時収入、香港で提供したサービスに対する収入、年金も課税対象に含まれます。ただし、日港租税協定の適用で免税措置がある
●資産所得税
 家賃収入から固定資産税等を控除した額に課税。ただし、家賃収入が法人の事業所得税の課税対象となっている、不動産所有者が事業を営むため占有している場合は資産所得税の対象にならない
●固定資産税
 香港政府が毎年公表する推定賃貸価格に一定の税率で課税。原則として不動産所有者と賃貸人が納税するが協議によって一方のみが納税することもできる
●印紙税
 香港内で締結する不動産売買契約書、株式譲渡契約書等の課税文書の作成者に課税される
●ロイヤリティ課税
 みなし所得に一定の税率で課税される
●物品税
 アルコール飲料、たばこ、炭化水素オイル(ガソリンなど)、メチルアルコール(化粧品など混合物含む)の4品目に課税。税関により徴収される

 

香港法人の決算日は、12月31日または3月31日が通常です。年次決算の時期になると香港の会社法に基づき、決算書を作成し税務申告が必要になります。利益(所得)があれば、16.5%の所得税を納付しなくてはなりません。しかし大部分の香港法人には香港に経営の実態がなく、社員もいないので所得が発生しないことも多いです。その場合、香港の税務政策によりオフショア会社は所得税免除の申請をすることが可能です。


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弊社からのアドバイス

● メリット: 自由貿易港として貿易ビジネスの拠点として最適
 設立の自由度と柔軟性から海外ビジネスの拠点として最適な国のひとつです。中国本土へ直接輸出するよりも香港を経由することで関税を免除できたり、低税率を含む緩やかな税制を活用することでグループ企業、関連関係者の節税が可能です。事業撤退、会社の閉鎖も中国本土に設立した会社と比べて簡単です。ただし、不当な租税回避を規制する「タックスヘイブン税制」が適用されるので節税目的のみの活用は意味がありません。

● メリット: 税制、会社法、外国為替管理法が分かりやすい
 国際通貨としての香港ドルは人民元よりも扱いやすく、中国よりも自由に資本取引、外国送金ができます。香港では役所でも企業でも英語が通じますので通訳、翻訳コストも抑えられます。インターネットバンキングを使えば日本にいながら口座管理ができます。

× デメリット: 法人の維持費、間接コストが高い
 中国への輸出に関税免除のメリットはありますが、中国で自社販売するには中国本土においても販売会社の設立が必要になります。中国と香港の2重管理コストは大きな問題です。また、すべての香港企業は税務申告において香港の会計士による会計監査が必要になるため年間維持費がそれなりにかかります。

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