中国ビジネス情報。

他人の経験談、噂に惑わされないよう気を付けてください。

中国で会社を設立する際に必要な『資本信用証明書』について

中国語では『資信証明』と呼ばれ、合弁企業、合作企業、独資企業、駐在員事務所を設立する場合に中国当局から求められる私文書です。中国に会社を設立しようとする外国企業(親会社)と取引のある金融機関から同社と取引実績があり信用できる旨を証明してもらう文書です。文書は中国語以外でもかまいませんが、原文が日本語、英語の場合には翻訳会社(会社の定款事業内容に「翻訳業務」がある会社)の印鑑が押印された中国語訳文を添付します。決まった様式がないので各金融機関がそれぞれの様式で発行しますが、最低でも下記項目がないと申請が通らないことがありますので注意しましょう。

 

当行は●●株式会社と密接な取引関係を結んでいます。●年●月●日現在で下記を証明します。
設立年月日:●年●月●日
所 在 地:日本・・・
代 表 者:代表取締役氏名
払込資本金:●●円
預 金 額:●●円
信 用 状況:信頼するに足るものである

この文書をもって金融機関が中国当局に対して何ら保証するわけではないので、「上記は通知のみであり何ら拘束力をもたない」という一文が一般的に付け加えられます。


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日中租税条約の短期滞在者規定 『183日ルール』について

日中租税条約第15条2項(給与所得)には、役務が提供された国地域で課税されるとしても、短期滞在者(出張者)については一定の条件を満たすことでその課税をしないという規定があります。下記の括弧()は日本人が中国で勤務するケースでの注釈です。

一方の締約国(日本)の居住者が他方の締約国内(中国)において行う勤務労働に対して獲得する報酬は、次に掲げる条件をすべて満たすことで当該一方の締約国(日本)においてのみ租税を課することができる。

●報酬の受領者が当該年(1月から12月)を通じて合計183日を超えない期間、当該他方の締約国内(中国内)に滞在すること → 暦年で183日を超えて中国に滞在しないことなので、例えば、9月から翌年4月までの滞在であれば暦年で183日を超えない

●報酬が当該他方の締約国内(中国)の居住者でない雇用者、またはこれに代わる者から支われるものであること → 中国の企業等の団体からの支払ではない

●報酬が雇用者の当該他方の締約国内(中国内)に有する恒久的施設、または固定的施設によって負担されるものでないこと → 恒久的施設とはいわゆるPEを意味します(PEの詳細はこちら)。


上記の日数計算で、納税義務の判定には出入国日をそれぞれ1日として計算。税額計算では出入国日をそれぞれ0.5日として計算します。

『183日ルール』が適用される日本の居住者には中国の個人所得税が課されません。それ以外では中国での勤務日数と対価に応じて課税されます。本人が日本の居住者でなくなった場合、または高級管理職であるときは『183ルール』の適用がありません。


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中国の社会保険制度の概要と適用範囲

中国の社会保険制度は長きにわたり地方政府による独自の執行・運用とされてきたため、保険料率や納付基数、加入する保険の種類などが地方によって異なり、転職すると以前に加入していた社会保険を新しい地域に移転できないという問題がありました。これは人材の流動化を妨げる一つの要因ともなっていました。2011年7月1日、中国で国レベルの社会保険法が法律として施行されたことでこういった問題を解決する期待がされていますが、同時に外国人(日本人)にも加入義務が生じることになりました。

●養老保険
 日本の年金制度に相当。定められた料率に基づいて労使双方が負担。原則として、法定退職年齢に達して、かつ、納付期間が満15年に達したときに養老金の受給が可能となる。法定退職年齢は一般のケースで男性は満60歳、女性は満50歳。

●医療保険
 日本の健康保険制度に相当。定められた料率に基づいて労使双方が負担。個人口座と共済基金に分かれ、軽い病気、病院での軽微な診療は個人口座の残高と自己負担でまかない、入院など重病の場合には共済基金から保障を受けることが可能。

●生育保険
 雇用主のみが負担。90日の法定産休期間中に発生する検査、出産費用にあてるために生育保険給付として生育医療費用と生育手当を受け取れる。

●工傷保険
 日本の労災保険制度に相当。雇用者のみが負担。業務上の事由または通勤災害による労働者の負傷、疾病、障害、または死亡に対して保険給付が行われる。

●失業保険
 日本の失業保険制度に相当。労使双方が負担。雇用主と労働者が失業保険の負担を満1年間行い、かつ、本人の意思によらずして就業が中断し、失業登記をして求職意思がある場合に保険金を受給することが可能。

現地で中国人を採用した場合には必ずこれらの保険に加入させる必要がある。 2013年4月現在、中国でもっとも高い法定最低賃金は広東省広州市で月給1550元、時給15元。1元=16円で換算すると時給240 円(ただし物価を考慮すると1500円に相当する)。


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人間関係が機能しなくなったとき、契約書だけがあなたの味方です。

「中国はコネ。契約書を作っても意味がない。政府の役人を知っているから任せない」こんなことを耳にしたことはないですか?
人間関係はもちろん大事ですが、人間関係が機能しなくなっても、契約書だけはあなたを裏切りません。法律を知って自分で自分を守る。中国ビジネスの成功はその後に訪れます!

●契約書は誰のために作成するのか?
 日本の契約書には『定めのない事項は双方が協議をして解決する』とあります。しかし、契約書に定めがないと相手方に一方的な解釈を許してしまう余地を与えるのでとても危険です。中国は人治の国(人間関係のグワンシが物をいう)と言われながらも法律の施行にとても厳しい側面もあります。例えば、中国で営業活動をするには法人でなければならず、営業許可が全てにおいて求められます。製造物責任法(PL法)は日本のものより詳細です。中国パートナーは権利意識を強くもって契約書に不備があれば躊躇なく主張してきます。契約書は相手へのけん制だけでなく、双方の意気込みと真剣さが反映されるのです。中途半端な契約書は中途半端な結果しか生みません!

●中国に三権分立制度は存在するのか
 もうひとつの注意点として裁判の問題があります。中国では中国共産党による事実上の一党独裁体制が敷かれています。立法機関として日本の国会に相当する全国人民代表大会が置かれ、行政機関として日本の内閣に相当する国務院が、司法機関として人民法院が存在します。しかし、全国人民代表大会に権限が集中しているため、三権分立のチェック&バランスが機能しにくいのは実情です。さらには、地方行政の裁量権が大きいために中央政府との一貫性がありません。契約書に紛争解決の手段を定めるときは、裁判ではなく仲裁を規定することをお勧めします。例えば、中国国際貿易促進委員会という非政府組織の経済貿易団体があります。1952年に設立されたCCPITの本部は北京にあり、7万社以上の会員を持ちます。この団体の目的は中国が世界各国との対外貿易、外国企業誘致、技術導入の促進を図るとされていて、国際商事の仲裁を取り扱う機関でもあります。仲裁条項を契約書に盛り込むときは大変重要な役割を果たすので覚えておきましょう!


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模倣品と海賊版を取り締まる方法

民事訴訟の証拠資料は当事者が集めなければなりませんが、海賊品店の摘発だけではトカゲのしっぽ切り、根本的な問題解決になりません。確実なのは製造元を探り出して根絶するしかありません。しかし、自力で調査するのは危険なので二つの方法を紹介します。

 一つは、調査会社を使う方法です。ただし、調査会社には専門分野、得意分野があるので依頼するときは確認します。過去の調査実績、調査結果、費用、日数、手法、報告回数などです。中でも、真贋の判断をどのように行うのかを調査会社と入念に打ち合わせします。

 もう一つは、中国事情に詳しい専門家事務所に依頼すること。信頼できる事務所は緊密な調査会社を抱えているので安心できます。調査会社に比べるとコスト高になりますが渋ったために多額の損失を抱えては本末転倒です!

そして、模倣品を発見したときの反撃ポイントです:

●まずは証拠品の確認と確保から

 海賊版、模倣品を発見したときは、慌てずにそのモノの確認からはじめます。驚きとショックで気が動転するかもしれませんがまずは落ち着いてください。複数の人間がチェックし間違いないことがわかれば、そのモノを購入します。重要なことは、かならず正規の領収書をもらうことです。事業者が不正販売だと、その場で正規の領収書(中国の領収書は税務当局が発行する「発票」しか認められていません)をくれる可能性は低いのですが、その後の民事訴訟裁判では重要な証拠書類となります。これは、訴状に相手方の正式名称、本店住所、代表者などの事項を記入しなければいけないからです。現地の工商行政管理局で工商登記簿を閲覧すれば、会社名、住所、代表者名、資本金、営業範囲、出資者名などがすぐに分かります(一部の地方では人民法院の通知書がないと閲覧できない場合があります)。

●民事訴訟か?刑事訴訟か?

 著作権侵害行為に対する行政管轄機関は版権局です。工商行政管理局、文化部、税関も一定の行政管轄機能を持っています。要約すると下記のとおりです:

 【版権局】・・・国家版権局と地方版権局に分かれ、一般的には地方局に申し出ます。日本の著作権権利者の権利が侵害された事件についてもこの機関に行政処分を求めることができます。根拠法には、著作権法、ソフトウェア保護条例などがあります。

 【工商行政管理局】・・・総合的な経済管理機関であり、主に企業の設立管理、市場管理、商標登録管理、広告管理、経済契約管理などの任務を負っています。

 【文化部】・・・音像製品管理条例に基づき、各種テープ類、レコード、CD、録画製品の販売、賃貸、輸入管理を行っています。侵害行為に対して、営業許可とライセンスの取り消し処分を行います。

 【税関】・・・海関保護条例に基づき、著作権を侵害した貨物の輸出入を管理します。行政処分には違法貨物の没収があります。

 

●海賊版商品に対する対策ポイント

 1. 落ち着いて商品を確認し、証拠品を正規に手に入れる。

 2. 民事訴訟と刑事訴訟のどちらを選択するかを吟味する。

 3. 適切な管轄部署に申し出る。


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